◆随波斎流弓術「鳴弦蟇目の大事」の書

随波斎流弓術「鳴弦蟇目の大事」の書
国会図書館のデジタルアーカイブに無く、絶望してましたがインターネットの海で見つけたので紹介。

◇우리글로의 풀이諺解 : 【伝来】a1383〈吉田久馬助重信〉一宮随波斎弓術巻物-寛永20年
http://hangeullo.tistory.com/entry/【伝来】a1383〈吉田久馬助重信〉一宮随波斎弓術巻物-寛永20年
2016年6月の記事… 定期的に検索してたけど引っかからなかった。
多分検索アルゴリズムが変ったりする加減。こちらのブログが韓国語だから私の使用言語上引っかからなかった可能性も有る。
日本だけでなく中国や韓国の古い書などを集めている方の様。


鳴弦蟇目の言葉の意味としてはこのくらい。
・鳴弦
弓の弦を鳴らすこと。邪気を払う。
・蟇目
射たときに音を響かせる。
(矢尻のあたりに付ける丸い穴の空いた部品が鳴っている)

※鳴弦の儀/蟇目の儀 でWEB検索すれば儀式の動画が有ります。


信長の野望201Xの一宮随波斎でいうと、固有特性で「蟇目鳴弦」が使われてますが、「鳴弦蟇目の大事」の書の内容とは深く関連していないと思われます。
どちらかと言うと言葉の意味を取り、蟇目鳴弦で邪(=鬼)を払う ので鬼への与ダメージが上がる、ですね。
いえ、実際はどの程度考えたのか知る由も無いのですが。


現代では鳴弦の儀や蟇目の儀は神事なので神社で行われています。
戦国時代はどうも仏教と神道の範囲が曖昧のようで、「鳴弦蟇目の大事」の書でも如来や菩薩の文字が見えます。

小笠原流弓馬術だと選ばれし者ができる儀式との事。
◇小笠原流 蟇目の儀:大宮八幡宮
http://www.ohmiya-hachimangu.or.jp/596
>小笠原流の重要な儀式であり、修行を重ね、それにより選ばれた者がその技をもって、ご神前や多くの人々の前で、弓矢の徳威に依り、天下の邪悪を祓い清める神事


くずし字はまともに読めないので読めそうな所だけ読んでいましたが、内容に覚えが有ったので手元のメモを見直したらこちらのブログに有りました。→

◇鳴弦(めいげん)とは :古文書を読んで感じたこと
https://blog.goo.ne.jp/akirou-1/e/7a4894a1638f2e944a31ea3859ad1654
一宮随波斎の事を調べだしたかなり初期に読んだけれど、ソースを追えないものは無いのと一緒なので…。
(岐阜県恵那市岩村町まで行けば閲覧できそうではある)

両方を見比べたところ写している人は違いますが、大きく相違している所は無さそうです。

「鳴弦蟇目の大事」の内容ざっくりと。
鳴弦の儀の方法や心構え的なものが書いてある。
・随波斎流で唯一人のみ伝授される
・あらゆる邪を払う為の鳴弦の儀の方法
・呪文が有る(神道なら祝詞にあたる物と思われる)
・弓と矢の長さ不明
・秘伝やら口伝が多くてこの書だけで再現は不可

どちらも江戸期の写しなので一宮随波斎が書いたそのままとは思って無いです。
受け継がれていく中で盛られたり削られたりは当たり前に有ると思っています。

「鳴弦蟇目の大事」は随波斎流弓術の現代まで伝わっている3-4冊の内の1冊です。
この「鳴弦蟇目の大事」は儀式のみの書となっていますが、随波斎流弓術は戦場で戦う為の実戦弓術ですので他の書もぜひ見てみたいですね。

「鳴弦蟇目の大事」の書については何か大きな勘違いをしてない限りこれ以上の更新は有りません。


※2018年6月24日にTwitterで呟いた物に少し説明を足したり表現を変更した物です。

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